学寮の歴史

公益財団法人 春風学寮の歴史

 

公益財団法人・春風学寮は1929(昭和4)年、明治、大正、昭和期のキリスト教指導者、内村鑑三、塚本虎二の流れをくむキリスト教(無教会)精神を土台に、「神を畏れ、学を励み、自治協同の精神を養い、併せて寮生相互に愛と信頼を厚くする」ことを目的として設立され、非事業的、非営利的経営により今日まで運営されている男子学生寮です。創設者の道正安治郎氏は若き日における1912年からの6年間におよぶアメリカ留学中に、YMCAの学寮(フラタニティー)の指導者ストウジ博士と出会いました。その学寮において学生たちが自由と自治の精神のもと健気あふれる楽しい有意義な共同生活をおくっていることに感銘し、いつしかこのような学問と人生の学びを骨子とする学寮を日本にも建てたいという希望をもって帰国しました。そしてその時機(カイロス)が到来し、1929年に満鉄を辞して多賀夫人の協力のもとに、私財を投入し、満鉄の援助を受け、東京世田谷に春風学寮を創設いたしました。設計者は近江兄弟社のボーリス博士でした。春風学寮は、とくに創設期には旧満州に居住する満鉄社員の子弟が東京で勉学する際の学寮としての役割を果たしました。以来、戦中に道正氏は平和を希求する発言を当時の特高に傍受され、そのため治安維持法違反の嫌疑をかけられ、投獄されたこともありました。戦中の困難な時期を乗り越え、春風学寮は数多くの若者たちに青春の豊かな出会い、健康的で清らかな共同生活、協同の学び、純粋なキリスト教の伝達の場を提供して、今日に至っております。1984(昭和59)年4月には、新しい鉄筋の寮舎に建て替えられました。2012(平成24)年4月1日に春風学寮は公益財団法人の認定を受け(とくに育英事業と奨学事業が高く評価されました)、新しい出発を遂げております。