楊志強（ヤン・ツィーチャン）さん（中国貴州大学教授・人類学専攻）
東京大学在学期間、私は春風学寮に入寮し、日本での最も充実した4年間を送ったと思っています。学寮に滞在した期間（1998―2003年）、「外国人」寮生の一人であった私は日本人の諸先輩、同期及び後輩たちとも「仲間」となり「朋友」となり、まさに「春風」が爽やかに吹く学寮で至福の時を過ごすことができました。中国と日本との両国が様々な問題で常に難局に直面している現在こそ、国境を超える人間同士の信頼関係を築くことの大切さを痛感しています。その意味で言えば、「春風学寮」での日々、聖書を学び、讃美歌を歌い、寮長と二人で内村鑑三全集を読破し、寮生たちと寝食を共にしたその思い出は、常に私の心を温めて、私の一生の宝物になったと思っています。