沖縄平和研修旅行五日目第一部(8月31日午前)

朝一番でチビチリガマへ行きました。知花昌一さんの息子さんの昌太郎さんの解説で、一方的な教育や外国の言語や文化の無知のために多くの人が命を落とすことになったことを学びした。さらには、同様の無知によって最近地元の少年たちによってこのガマが荒らされてしまったことを学びました。金城実さんという彫刻家がこの周りに慰霊のための像を作り、置いてくれています。金城さんはここを荒らした少年たちを教え諭してくださったそうです。こういう一つ一つの積み重ねが平和を築いていくのですね。

こちらは、次に訪れたシムクガマ。ハワイで暮らしてアメリカ人のことを知っていた人がいたために、このガマにいた人たちはアメリカ軍に投降でき、全員助かったという話を知花さんが熱く語ってくれました。ネットで嘘の情報が飛び交う現代にあっては、この話は改めて耳を傾ける価値があります。デマを信じて死ぬことほどむなしいことはありません。そしてもっとむなしいのは、デマを信じて他者を殺すことです。

ついにやってきました、彫刻家・金城実さんの自宅兼美術館。これらの彫刻の偉大さがどこまで寮生たちに伝わったのか、正直疑問です。本物の芸術を見極める目を養えば、すべての問題は解決できると私(寮長)は思っているのですが、芸術の真価を見抜くのはこれまた至難の業です。

 

金城実さんは先の戦争のために家族を亡くされたこと、今も政府は徴兵制をしいて国民を利用しようとしていること、にもかかわらずそんなことに国民は誰も気づいていないことなどを語り、怒りを露わにしました。そのとき、大変なことが起こりました。寮生の一人の聞く態度が悪かったために、金城さんの怒りがその寮生にも爆発してしまったのです。「話を聞く態度がなってない。お前は自由と自分勝手をはき違えている。この家から出て行け!」と。この後は、大混乱に陥りかけましたが、寮母の知子が金城さんと徹底的に話し合い、仲直りすることができました。金城さんはなんと、「怒って悪かった」と詫び状まで書いてくれました。筋金入りの平和主義者はやっぱり違う。