五千人のパンの奇跡と湖上歩行の奇跡(小舘)

2023年5月28日春風学寮日曜集会
聖書個所 ヨハネによる福音書6:1~21


 5000人にパンを与える奇跡は、ちょうど昨年の今頃に扱ったものであるが、そのときには、いろいろな聖書解釈の方法(歴史批判的解釈、原理主義的解釈、福音主義的解釈、フェミニズム的解釈、唯物詩的解釈、深層心理学的解釈)があることを紹介し、この記事自体を詳しく扱わなかった。そこで今回は、改めて、この記事自体を掘り下げてみたい。
 実はこの記事は、湖上歩行の奇跡と一続きであって、両方が合わさって一連のメッセージを伝える構造となっている。マタイによる福音書では、それぞれが独立の記事をなしているようにみえるが、ヨハネによる福音書では両者は一つに結び付いており、湖上歩行の記事は5000人のパンの奇跡の続きである。というわけで、今日は、ヨハネによる福音書を通じて、これらの奇跡をまとめて読み、メッセージを探っていきたい。